何十年もマジックの世界とつきあってきたのだから、これくらいはいわせてもらってもいいだろう。 佐藤君のマジックにはまぎれもない本物の味があると。 松田 道弘(本書序文より)
2003年に発売され、類を見ない空前のヒットとなり、プロアマ問わず絶賛された作品集「トランプと悪知恵」の佐藤総氏が5年ぶりに新作をリリースしました! 佐藤氏が長らく秘密にしてきた18種類のトリック・技法が収録されており、そして今回はなんと、佐藤氏みずからの実演DVDが付録としてつきます! 能書きをたれるよりも、以下の著者コメント、収録トリックの内容と、松田道弘氏(序文を執筆!)や二川滋夫氏をはじめとする著名なマジシャンの推薦文をお読みになれば、この商品の価値がわかっていただけると思います。B5・132ページ・ハードカバー。
<<<<<<著者コメント>>>>>>
前作『トランプと悪知恵』から5年ぶりに、新しいカードマジックの作品集を完成させることができました。仕事の合間に書き、編集し、苦労しましたが、前作を上回るものが出来たという確かな感触があります。
この作品集には、『トランプと悪知恵』以降に作ったトリックや、過去作品をバージョンアップしたものを収めています。いずれも、時間をかけて手順をテクストに起こし、「作品」化するに値すると判断したものばかりです。 今回はそれに加え、『トランプと悪知恵』に入れるのは惜しく、長らく秘密を守ってきたある技法/コンセプトと、その応用トリックを多数解説しています。それは過去8、9年間ほど大切にしてきた技術なだけに思い入れは強く、読んでいただく方にも慎重に扱って頂きたいと願うものです。
この本には、娘を嫁にやるような気持ちで、本当に大切にしておきたい秘密を公開しています。読者が口の堅い共犯者となること、それを願ってこの本は書かれています。
佐藤 総
<<<<<<推薦コメント>>>>>>
「開いた口が塞がらない」という表現は否定的であると思っていました。 しかし、カードマジックデザインズを読んだとき、決して否定的ではない意味で、開いた口が塞がりませんでした。それは、自分の想像と能力を遥かに超えた、新しい思考を見せつけられたからです。 長年携わっているマジックというモノに、新しい視点があるであろうということは、感覚的には知っています。しかし、それを具現化し、しかもかなりの完成度で突きつけられると、これはショックです。感動と興奮と嫉妬で、開いた口は塞がりませんでした。 この本には歴史の変わる瞬間が載っています。読まない選択は非常な勇気が必要です。
ふじいあきら
マジシャンは「何か新しいマジックはないの?」とよく訊く。 私は今、自信を持って「ある!」と答えられる。 これは、佐藤総さんの非凡な頭脳と情熱と執念によって生み出された優れたマジックとその生成過程が紹介されている "珠玉の作品集"である。 今までにない本格的で独自のアプローチに、ミステリーを読むようなワクワク感を覚えた。こんな本が読みたかった。 この作品集の中のいくつかのトリックを、私だけの秘密にしておけたらどんなに素晴らしいだろうか! 佐藤さんの快挙に大きな拍手を送りたい。
二川 滋夫
秘密にされてきた「ミミック・ショウ」が、ついに公開。 巧妙な策略で、本物の魔法を見た驚きと感動がわき上がります。 DVDにより、他の作品にも圧倒され、興奮のまま、一気に本を読み終えました。
是非、本を読む前にDVDを見て下さい。そして、快感にも思える驚きを堪能して下さい。 オープニングの強烈なインパクトの作品から、最後の、ありえないと思ってしまった「フォロー・ザ・リーダー」まで、興奮の連続です。 さらに、前回、話題となったトライアンフ現象の作品が、今回、私も納得のアップグレードしています。 読みやすく、引きつけられる内容の解説。そして、すばらしいイラストと本の装丁も魅力です。 当分の間、この興奮はおさまりそうにありません。
石田 隆信
これほどまでに麗しく、芳醇なカードマジックの本を手にしたのは、一体いつ以来のことでしょう。
魅力的なアイデアと、それを第一級のミステリーに昇華させるための狡猾な策略 “悪知恵”。 “適切な環境での熟成期間”が加わることで、自然と醸し出される“魔術的雰囲気”。 そこに一切の過不足はなく、すべてがしびれるほどに美しい…。
極限までシンプルにデザインされ、磨かれることで、さらなる輝きを増したこれらの宝石たちが、 拙劣な演技や改案により、その価値を貶しめられないことを切に願います。
ゆうきとも
※上記のご推薦文は上よりいただきました順に掲載しております。
<<<<<<収録トリック>>>>>> (”[DVD]”とあるものは、実演映像が付録DVDに収録されています)
Magic Slap [DVD] 観客の選んだカードが、演者の空の両手の間に突如出現します。
Shrink Vanish [DVD] 一枚のカードが演者の手の中でみるみる縮み、消えてなくなります。消えたカードは、演者のジャケットの内ポケットから出現します。
Reverse Highlight [DVD] 観客に一枚カードを選ばせ、デックに戻します。そのままデックを表向きにして広げると、一枚だけ裏向きのカードがあり、それがまさに観客のカードです。
Another "All Back" [DVD] デックを空中からテーブルに落とすとデックは「故障」してフェイスが消失し、裏も表も「裏面」ばかりのカードになってしまいます。演者が指先を暖めてデックのそばで指を弾くと、一瞬にしてフェイスは復活し、デックは元通りになります。
Acrobat Leader [DVD] 佐藤版「フォロー・ザ・リーダー」。 このテーマのトリックとしてはかつてないビジュアルな交換現象が起こります。 サンプルムービー参照。
Bathtowel Mentalism [DVD] デックを2つのパケットに分けて二人の観客にわたし、それぞれ中から一枚を選んでもらいます。ただし、これは全てバスタオルの下に二人に手を入れた状態で行われ、誰にも何が選ばれたかわかりません。 カードは一枚たりともバスタオルの外に出ることはありませんが、演者は選ばれた二枚のカードを言い当てます。 相手から借りたデックでも演じることができます。
Lucky Number Poker 演者はデックを弾いて、観客にストップをかけさせます。ストップがかかった箇所から二人の観客に二組のポーカーハンドを配ります。二人に1から4の数字の間で自由に「ラッキーナンバ ー」をそれぞれ決めてもらい、その数字に従ってあるルールで二人にカードを交換してもらいます。 二人が最終的に手にするポーカーハンドは、演者に事前に予言されています。
Blue Print 複数の観客にデックをシャッフルさせたあと、テーブルに表向きにリボンスプレッドします。 事前に抜き出していた4枚のキングから1枚を観客に選ばせます。テーブルに広げたカードの中から、選ばれたキングと同じスートのカード全て(12枚)をそれが入った位置で突き出します。その12枚の順序は、演技前に観客に渡していた紙に予言されています。
ZEN Derby 四枚のエースを競走馬に見立て、カードを使った競馬ゲームをします。三人の観客にそれぞれ好きなエースを選ばせ、残った一枚を演者のものとします。テーブルにマッチ棒でスタートとゴールラインのある「競馬場」を作ってエースを並べます。観客によってシャッフルされたパケットを上からめくっていき、表れたスートと対応するエースを進めていきます。レース進行はランダムになるはずですが、結局演者のエースが一等になります。 それだけでなく、レースの1?4位までの全ての着順が、事前にテーブルに置いてあった封筒の中の紙に予言されて書かれています。
Mimic show 佐藤総が2000年頃考案し、マジシャン/ノンマジシャンを問わず騙し続けた秘密の技法を初めて公開します。
Amnesia [DVD] 佐藤版「オイル・アンド・ウォーター」系イフェクト。マジシャンの間で長年噂になっていたものがついに公開されます。
Amnesia lite 上記のバリエーション。
Pick pocket lesson カード・アクロスの変種。観客の持つパケットから特定のカードが消失し、演者が持つパケットの中に表向きになって現れます。
Worker Bee "Collectors" [DVD] 佐藤版「コレクターズ」。
Love a dove dove plus 4枚のエースをはっきり見せ、そのうち1枚を裏向きで手の下に隠します。観客にそれがどのスートのエースであるかを推測させますが、いつの間にか手の下のエースは消失してしまいま す。消えたエースは、カードケースの中から現れます。
Outsourcing sandwitch [DVD] カードを一枚観客に選ばせ、デックの中程に返してもらいます。デックを観客に渡し、そのデックの中で観客の自由に指定した二カ所に二枚の赤いエースを挿入します。観客のカードと2枚の赤いエースは別々に入っている筈ですが、おまじないをかけた後デックを広げると、二枚の赤いエースが観客の選んだカードをはさんで集まっています。デックを観客に渡してからは演者は全くデックに触れません。
Bushfire triumph ver.1.5 [DVD] カードを一枚観客に選ばせ、デックに返してもらいます。テーブル上でカードを裏表乱雑に混ぜて揃えますが、おまじないをかけたあとカードを広げると、カードの向きは一瞬にして揃っており、観客のカードだけが表向きになっています。 「トランプと悪知恵」で発表した「ブッシュファイアトライアンフ」のアップグレード版。カードが裏表乱雑に混ぜられた印象が更に強力になった一方で、観客に選ばせるカードの枚数は二枚から一枚になり、現象がすっきりしました。
本書に解説されているこれらのトリックは、全て、仕掛けのないレギュラーデックで演技可能です。 (サンプル動画にもあるAcrobat leaderではデュプリケイトカードのセットを使っていますが、レギュラーデックでも演技可能です。)
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