術者はチャーリーじいさんの話をします。 彼は演芸場でマジシャンをやっていて、一日に10回もショーをしていたのです。 チャーリーじいさんは読心術に長けていて、とくにカードがうまかったのですが、 悲しいことにチャーリーじいさんはすでにこの世に亡く、入れ歯しか残っていない、と観客に話します。 術者はじいさんの財布を取り出し、中から入れ歯を取り出します。 入れ歯はカチャカチャ音を立てて動き始めます。術者は観客にカードを選んでもらい持っていてもらいます。 入れ歯を財布の中に入れると、再びその中で動き始めます。 『おっと、じいさんはタダじゃ働かないんです。1ドル札が必要なんです』と言います。 この時点で術者は観客の”寄付”を募ります。 お金を布袋の中にしまいます。 『それに、じいさんは新聞なしにはできないんです。その日によく選ばれるカードを占いで見て、あてる時間を節約していたのです』と言います。 新聞を取り出し布袋の中に入れます。 『(財布に向かって、大声で)「おじーちゃん!お客さんが選んだトランプを絶対当ててね!!」 じいさんは耳が遠いので噛んで含んで言わないと分からないんです』と言います。 観客に選んだカードのことを心に思ってもらいます。 しばらくして布袋を開け、中から細切れになった1ドル札を取り出します。 『ごめんなさい。チャーリーじいさんは少しボケてるんで、本当に噛んで含んでカードを当てなきゃって思ったんでしょう』 次に術者は1ドル札よりはましですが、それでも一部が噛みちぎられている新聞紙を取り出します。 この新聞紙を開くと、観客のカードが現れます!
このマジックはセルフ・ワーキングで、観客が求める大変愉快な現象です。 |