カードマジックの傑作に「シカゴ・オープナー」と呼ばれる作品があります。
「シカゴ・オープナー」は、観客が選んだカードだけ、裏色が変わってしまうというマジックです。
そのシカゴ・オープナーに「とんでもないクライマックス」を加えたのが、この「レネゲイド」という作品です。
あなたは、「青裏」のトランプの中から観客に一枚のカードを選んでもらいます。
シャッフルし、指を鳴らすと、デックの中で一枚だけ赤裏のカードが現れます。
あなたはそのカードの表を見せますが、・・・残念ながら観客のカードではありません。
「おかしいですね。カードはなんでしたか?」と尋ねてから、観客のカードを抜き出すと、「青裏のまま」です。
「そのような時は・・・」と言って指を鳴らすと、観客のカード以外、全てのカードが「赤裏」に変わってしまうのです。
「レネゲイド」は一種のサカートリックです。「サカートリック」は演じていて楽しいものですが、逆に演じるのが難しいマジックでもあります。
それは、テクニックが難しいかどうかという問題ではなく、もっと別の演技上の難しさです。
例えば、失敗した演技が下手であれば、白々しい演技になってしまいますし、「してやったり」という態度で演じれば、嫌な演者になってしまいます。
通常、サカートリックとは、そのように微妙な演技力が要求されるトリックです。
しかし、その点「レネゲイド」は、そのような「サカートリック」特有の難しさがありません。
それは、クライマックスが衝撃的すぎて、観客は、悲鳴をあげるか、あんぐり口をあけて眺めているかしかないからです。
レネゲイドは、「巧妙な」トリックデックと「大胆な」テクニックの組み合わせによって成立しています。
このテクニックは、非常に難しい「あるテクニック」の代わりになる技法として考案したものです。テクニックと言っても、テクニックと呼べるほど難しいものではありません。
むしろ、テクニックとは呼べないほど、簡単かつ何気ない動作です。
しかし私はこの手法をあえて、テクニックと呼びたいと思います。
それは、「レネゲイド」だけでなく、様々なトリックに応用可能な手法であるためです。
「インビジブル・◯◯◯◯◯」は、あなたのカードマジックにとって新しい武器となるでしょう。
「完全版」である今回は、オリジナル版には収録されていなかった、「レネゲイド」デックを使って行えるボーナストリックを収録しています。
「FLASH」は、 「簡単でビジュアルなカラーチェンジデック現象」です。
「レネゲイド」はいつの間にかデックの色が変わりますが、「FLASH」では、 ビジュアルに一瞬にしてデック全体の裏色が変化します。
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