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チルチル、クルクルときて…今度のテーマは、ファンファン!?
カードをファンに広げた瞬間に、奇妙な変化現象が起こります!
野島伸幸の
「ワンコンセプトDVD」
シリーズ、
第3弾
は
「ファンファンチェンジ」
。
デックをファンに広げた瞬間に変化現象が起こる、
独特のカラーチェンジ技法
です。
例によって、
技法とその応用手順
を併せてご紹介。
比較的やさしく行えて効果的なアイデアとなっておりますよ!
「オウギチェンジ」改め
「ファンファンチェンジ」
。
以前に「超限定」の形で一応発表はしているのですが、その資料は既に入手不可能。
また、映像でないと良さが分かりづらい、とのご指摘もあり、今回、この
ワンコンセプトシリーズ
に収録させていただくことにいたしました。
さて、その
「ファンファンチェンジ」
です。
例えば、
裏向きのデック
に1枚だけ
表向きのカード
をずらして重ねます。
あとは
そのままファンに広げるだけ
。
その瞬間、裏向きのデックは鮮やかに
表向きに変化しています
。
広げる寸前まで裏向きのカードが見えているので、
非常にビジュアル
です。
既存の手順にも組み込みやすく、
実用的
。
また
「ファンファンチェンジ」
を効果的に使用した
3手順
をご紹介いたします。
ぜひ習得し、ご活用ください。
■
ファンファンチェンジ
まずは基本となる
技法
を解説。
もちろん野島伸幸の
オリジナルテクニック
です。
カードをファンに広げられる方であれば、あとはさほど
難しくはありません
。
ただし、
微妙なコツ
があり、見よう見まねで闇雲にやっても、意外と上手くいきません。
その辺りの
フィネス
も押さえて、
詳しく解説
いたします。
■
デックリバース
シャフルしたデック
から、演者が1枚のカードを選び出すと、
ダイヤのエース
。
それを1枚だけ
表向きにして
、裏向きのデックに重ねます。
一番上のダイヤのエースを押し出して、下が裏向きであることを確認し…
そのままデックを
ファンに広げる
と、その瞬間、
デックは表向きになっています
。
さらに、ダイヤのエースを、
逆向きにひっくり返して
デックの中に入れます。
おまじないをかけてデックをファンに広げると、なんと、
デックの中央に、
4枚のエースが表向き
になって現れます。
レギュラーデック1組
ですぐに準備でき、
テーブルを使わず
に演じられる、
スマート
で機動性の高い実践ルーティーン。
手順の
第1段目の現象
は、1枚の「リーダーカード」を表向きにすると、
デックのほかのカードもそれに倣って、すべて表向きになってしまうというもの。
エフェクトジャンルとしてはクラシックと言えますが、元々ビジュアルな
この現象に
「ファンファンチェンジ」
を適用することで、より一層
ビジュアル度を高め、印象を強める
ことに成功しています。
スピーディー
に現象が起こり、
瞬間のインパクト
があるので、
演技の
オープニング
、「つかみ」に最適。
さらに、その瞬間芸では終わらせず、すかさず
2段目の現象
をかぶせることで、
テンポ良くスムーズ
に、観客をマジックワールドに引き込むことができます。
そして
エースオープナー
としても機能しますので、その後、自然に
エースを使ったマジックに繋げることができるでしょう。
■
カラーチェンジングデック
シャッフルしたデックから、1枚のカードが
自由に選ばれます
。
そのカードにおまじないをかけると、
裏の色が変化してしまいます
。
さらに、そのカードをデックに重ね、
ファンに広げると…
デックの色
も、そのカードに同化するように変化してしまいます。
ファンファンチェンジ
の技法を、
カラーチェンジングデック
の手順に
活用したものです。
このテーマは意外性により観客の
意表を突く
ため効果的。
けれども、カラーチェンジングデックと言うと、結構「重たい」手順が
多い気がします。
(おそらくトリックの性質上、過剰に証明したい欲求に駆られて
いるのではないかと思います)
今回の手順は、不必要な要素を切り詰め、
必要最小限の要素
のみを
抽出したような構成となっています。
ショート&シンプル
な形が(原点回帰なのかもしれませんが)
逆に新鮮で、
スマート
。
スタンディングで
テーブルを使わずに演じられる
こともあって、
大変
軽やか
です。
もちろん、単にシンプルにすれば良いという話でもなく、
これは
「ファンファンチェンジ」あってこそ
の、この構成。
そこでインパクトを担保しているからこそ成立しているのです。
スムーズな流れ
を、お楽しみください。
■
リバース&カラーチェンジ
上記2つの現象を
合体
させたような
フルルーティン
。
デックの
リバース現象
が起こり、さらに
裏の色の変化
へと繋がります。
長めの手順
がお好みの方は、こちらが良いでしょう。
(と言っても、この手順も時間的にはそんなに長くはありませんが)
先に解説した2作品が、それぞれトリック的に
ワンアヘッド
だとすると、
こちらは、掛け合わせて使っていますから、
ツーアヘッド
。
より巧妙
だともいえます。
見せられる部分のみを最大限に活かして「あらため」、また
現象を起こしつつ、クライマックス用の「面」を隠し通す…
絶妙な手順構成
を、ぜひ玩味ください。
現象は2回とも
「ファンファンチェンジ」
を使って起こしています。
その辺りの
「かぶせ」
も、効果を高めています。
「ファンファンチェンジ」
を最初に見せられたときの個人的な感想は、
「なぜ、これまで誰も思い付かなかったんだろう」というものでした。
それほどまでに
シンプルでプリミティブなアイデア
だったからです。
これ自体は「画期的新技法」と大上段に構えるほどのものではなく、
「ちょっとしたアイデア」といった感じかもしれませんが、その
「ちょっとしたこと」で、マジックの印象が大きく変わる
場合もあります。
まさにその好例ではないでしょうか。
「ファンファンチェンジ」
が
原理的に秀逸
なのは、
自然な動作
で
すべてが完了する、その
合理性
です。
新技法
であるにもかかわらず、大枠で言うと、この技法独自の
新しい動作というものが、基本的にはないのです。
そこにあるのは「カードをファンに広げる」いう、マジシャンにとっては
当たり前の、普通の動作
があるだけです。
それだけで
「自動的」に技法が完了してしまう
のです。
本来ならば
ディスプレイ
である動作で、同時に
エフェクトを成立
させる…
現象を「起こして、示す」
が一挙にできて一石二鳥なんですね。
余分な動作がない
点が合理的であり、また
スマート
なのです。
見えたまま
で現象が起こるのも特徴。
カラーチェンジですが、
カバーアクションがありません
。
ビジュアル
です。
視覚的なインパクト
があります。
また、もっと原理的な話では、観客が現象を理解するのが容易になります。
分かりやすい
のです。
技術的にも簡単
。
様々な点で、とても
「使い勝手」の良い、実用的な技法
です。
しかも
ファン(楽しい)!
ぜひ、ご活用いただければと思います。
・演技・解説DVD 1巻
(日本語版・約25分)
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