カルは、デックを両手で表向きに広げて見ていく作業の中で、任意のカードを特定の場所にコントロールする技法です。この技法の利点は、なんと言っても観客の目の前で堂々と、しかも気付かれずに行えること。
マジックをやり始めて2年目くらいのとき、カルはあこがれの技法でした。そのときの私はこれが必要な手順を何か知っていたわけではありません。しかし柔軟な演技が求められるマジック・バーに出演していた当時の私にとって「窮地に立たされた時に状況を打開してくれる技法」は光明そのものでした。何かアクシデントがあって、カードを見失ってしまったとき。急に思い立った手順をやりたいが、特定のセットが必要なとき。そんなときに観客の目の前で堂々と、しかし気付かれずに特定のカードをコントロールできるカルは、必ずマスターしなければ、と強く思ったのを覚えています。
それから数年が経ち、オリジナル版のロードランナー・カルが発表されたときに、初見での感想は「?…普通のカルと何が違うの?」でした。しかしこのDVDでは、複数枚のカードを一点の曇りもないスムーズさで、素早くコントロールしていたのです。ポイントは3つ。
・複数枚をコントロールできる。
・手を止めず、スムーズにできる。
・速い。とにかく速い。
ぜひ動画を見てみてください。知っている人でも「これでコントロールしてるの?」と思うと思います。
このDVDには他にカルを使った手順や、カルを応用したコンビンシング・コントロールやフォースも解説。どんなマジックにも組み込める応用範囲の広さを持つカルの面目躍如です。
応用が利き、実用的な基礎技法、カル。オリジナル版では別々に発売された1巻と2巻を1枚にまとめて発売します。「1巻」のセクションではカルを、マジックの手順や周辺技法とともに段階的に細かく分かりやすく説明。「2巻」のセクションでは、1巻発売後に寄せられた多くの質問に対する答えや、新たな発見をシェア。さらにマジックの手順も追加され、マイケル・アマーやビト・ルポらとの対談・インタビューも収録しています(オリジナル版ではwmvファイルとして同梱されていましたが、日本語版では通常のDVDメニューからご覧頂けます)。
どんな状況にも対応できる力と自由を与えてくれる技法、カル。ついに日本語版で登場です。(滝沢)
1巻:The Roadrunner Cull
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まだまだおぼつかない:
基礎
基礎
リズム・スピード・ライミング
1枚のカル
もう1つのハンドリング
リズム・スピード・タイミング2
4枚のカル
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カルに少し慣れてきた:応用
カード・コントロール
キーカード・プレイスメント
ボトム・フォース
コンビンシング・コントロール
リバース・スプレッド・カル
マークド・デックを使う
アウトに使う
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完全に自分のものにしたい:
上級ハンドリング
複数枚のカル
フルデック・セパレーション
見え方
手首のコツ
アングル・カル・セパレーション
カードがバラバラになった場合
リズムが崩れた場合
スプレッドが崩れた場合
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実演に使う準備はできている:
パフォーマンス
カリギュラ・トライアンフ
シャッフル・ファースト・アスク・クエスチョン・レイター
フォー・4・フォローイング
アンド・イフ・オール・ゴーズ・ロング
アンシャッフル・カラー
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エキストラ
クレジット及び出典
マルチ・アングル
トレーラー
2巻:The Cull Continues
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基本をやりなおしたい
1枚のカードへのアプローチ
ありがちな間違いを避ける
カードの位置
スプレッドの幅
複数枚をカルするコツ:リズムと流れ
練習のコツ
ありがちな間違い:カードを見失う
指と手の位置
練習のコツと、コツをつかむ瞬間
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より上級の方法を学びたい
スプレッドとリズムのコツ
カルによるカードのスタック
「カード消失」の回避
手を止めないコツ
カルの始め方と代替ハンドリオング
よくある間違い:ギャップを作らない
演技の角度
ワン・カード・リバース・カル
コンビンシング・コントロールのためのXカードのカル
スプレッドが崩れた場合のリバース・スプレッド
カラー・セパレーションの別法
自信と観客マネジメント
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マジック
フォー・ザ・イージー・ウェイ
サーチャー・サンドイッチ
ストレート・エッジ・カレクター
テン・タイムス・トライアンフ
パーシャル・カル・トライアンフ
ストリームライン・スイッチ
アンダーカバー・フォーサム
クイック「ギャンブラーvsマジシャン」
イット・テイクス・4・トゥ・ファインド・4
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エキストラ
インタビュー:アダム・ルービン
セッション:マイケル・アマー
対談:ビト・ルポ
ライブ・パフォーマンス
トレーラー
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クレジット