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原著は1995年刊、2009年に第17章の「会話編」を加えた増補版が、いずれもスティーブン・ミンチ(StephenMinch)氏が経営する出版社、HERMETICPRESSより発行されました。
現在は増補版も絶版であり、アマゾン等の中古市場では、10 万円前後の高値で取引されている状況です。
尚、本書の版権は、現在はペンギン・マジック(PenguinMagic,Inc.)が保有しており、当日本語版は、同社の許可を得て500部制作しました。
目次
第1章 対話
第2章 マジック体験
第3章 呪術師のマジック
第4章 初期のマジックの演技
第5章 マジックの起源についての何編かの物語
第6章 昼興業(マチネー)のマジック
第7章 トリックスターとリアル・ジョーカーズ
第8章 魔法の薬1錠か2錠
第9章 カード・トリックはカード・マジックと言えるのか?
第10章 たった一人の生存者
第11章 マジックのもつ意味
第12章 寓話的ジック
第14章 「13」恐怖症
第15章 たくさんのマジック
第16章 マジックとちんぷんかんぷん
第17章 マジックの意味:会話編
マジックの価値を理解して、それを観客に伝えるために。
「マジックと意味」はマジシャンにとって重要な本ですが、その内容は英語を読む人たちだけのものでした。
その理由のひとつは、本書の思想が繊細かつ難解で翻訳が容易ではないからです。
田代茂博士は、その能力と信念のもと、バーガーとニールの言葉を忠実に再現しつつ、その翻訳を堂々完成されました。彼の翻訳は、自らの演じるマジックと自らが対峙する観客とを大切に思う日本のマジシャンならどなたにとっても注目に値する成果といえます。
スティーブン・ミンチ
マジックがどれほど尊いものなのか、考えてみたことはあるでしょうか?
マジックはただの演芸でもなければ、その場しのぎのお慰みでもありません。
本書では、マジックが人間の生命や精神と深くつながってきたことが、(そして現在でもつながっていることが、)数々の事例を基に示唆されていきます。
太古の人々の生活を探る文化人類学の調査、聖書の一節、カフカの小説にまで言及され、日本の文献として一休禅師の言葉までが引用されています。日本語訳にあたっては、緻密な文献調査のほか、各分野の専門家の意見を伺うなどして、正確な翻訳に努めました。
マジックには極めて重要な意味が込められています。演者自身がそれを体現し、演技を通して観客に伝えられた時、そのマジックは観客の心に確実に刻み込まれることでしょう。
本書で解説される7つのマジックは、観客の心に届くマジックを演じるという著者の狙いを形にした、わかりやすい実例となっています。
初心者から専門家まで、本書を読まれることでその方なりの新しい視界が開け、進むべき道が自ずと明らかになってくることに疑いはありません。
田代 茂
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