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ロベルト・ジョビーのカード・カレッジ第5巻

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シリーズ完結編

カードマジックを学ぶ全ての人に送りたい、屈指の名著シリーズ「カード・カレッジ」。
第4巻が翻訳されて11年、ついに最終巻をようやく日本語でお届けできるようになりました!

「カレッジ」の名の通り、このシリーズはカードマジックを1から学ぶ人が身に着けるべき内容から始まり、第1巻から第4巻にかけて様々な技法や原理、トリックを網羅。その内容をきっちり読み込み、練習を積み重ねて“卒業”した人は、どんな試練にも耐えられる強固な基礎力が身につく歴史に残る名著です。

しかしその構成について著者のロベルト・ジョビーは「ヒューガードとブラウエから続いた解説書籍の構造的な呪縛からは逃れなかった」と言います。その理由とは、あるトリックを解説してもそこで使う手法はそこまで解説してきたものに限定されてしまう、というもの。つまりそのトリックにより洗練された方法があったとしても、その全てを身につけてもらってからでないと、その方法は解説できない(してもなぜその手法であるべきかが理解されにくかったり身につけられない)というわけです。

第5巻が書かれた意味

シリーズの完結編となるこの第5巻はその問題を解決するために書き上げられました。
第5巻の構成はそれまでの4冊とは異なり、トリックの解説が大半を占めます。それらは膨大な知識と世界中の名人たちに信頼される選球眼を持つジョビーが作り上げ、選びに選び抜いた作品たちであり、しかし上記の理由によりこれまでは解説できなかった作品たちです。これまでの4冊を修了して初めてポイントを正しく理解し、不自然さを取り除いた実演ができる作品群。

例えばその中には「密かにデックをセットする(セットを加える/エキストラを取り除く)方法」や「観客のサインを“複製”する方法」を使うものがあります。これらは手続き自体の再現はできても、自然なタッチで(言い換えれば本当の魔法のように)行うにはそのトリックに対する正しい理解が必要となります。これは技法的な難しさというよりも、観客が引っかかりを感じるポイントがどこかを正しく把握し、それに対する解決法の重要性が分かるかどうか、というもの。それぞれの解説を読むと、ジョビーがどれほどマジックを愛し、一つひとつのトリックについて考え抜いたかが分かるでしょう。この本はどのページを開いても、その彼の出した結論と理路整然としたその理由で溢れています。

本当の修了をその手に

彼はカードカレッジ第3巻で「第1巻と第2巻をかきあげた時、もうこんな大変なことは二度とやるまいと妻と約束した(中略)第3巻と第4巻を書き上げた今、本当にこれでおしまいにしようと妻と約束した」と書いています。

そうでありながらも結局書き上げられた第5巻。つまり本来は技法と原理の解説に主眼があったシリーズであり、実際にその目的は達せられたものの、それでもすべてを総括する最終巻が必要だったのです。それまで学んだ内容を凝縮させて初めて機能する作品群を提示することで、カード・カレッジという学びのシステムを完結させたのです。

ぜひこの一冊を手に取り、本当の“修了”を手にしてください。

 
 
 
 
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